『ウルフマン』~70年前の名作ホラーがバージョンアップ!~
プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
今回は、4/23(金)公開の『ウルフマン』から。
名作ホラー『狼男』をよみがえらせることになったきっかけとは?
■70年前の名作ホラーがバージョンアップ!
狼男の伝説は、何世紀もの間、世界中の文化の中で語り継がれてきた。が、映画に登場するようになったのは、わずか70年前のことだ。ユニバーサルは、1935年にスチュワート・ウォーカー監督の『倫敦の人狼』を公開。そして、1941年には、映画界における狼男の神話を不動のものにした名作『狼男』(未/日本では、「狼男の殺人」のタイトルでTV放映)が公開された。
悲劇の貴族ローレンス・タルボットというキャラクターを生み出したこの作品で、当のローレンスを演じたのは、『オペラ座の怪人』のサイレント映画のスター、ロン・チェイニーの息子のロン・チェイニー・Jr。他に『透明人間』のクロード・レインズ、『魔人ドラキュラ』のベラ・ルゴシも出演するこの作品は、「死を悼む身の毛もよだつその雄叫び」という決めゼリフと共に、狼男のイメージを定着させた映画としてよく知られている。
オスカー俳優でプロデューサー業もこなすベニチオ・デル・トロは、昔からこの手のジャンル映画の大ファンだった。彼と共に『ウルフマン』の製作にあたったプロデューサーのリック・ヨーンは、『狼男』を現代に生まれ変わらせようと考えた経緯をこう説明する。「数年前、ベニチオと一緒に彼の家を出たところで、『狼男』のポスターが目に入った。それは、狼男になったロン・チェイニー・Jrの顔がアップになったやつでね。ポスターを見てからベニチオを振り返ると、彼も顔中ヒゲだらけだった。そこで、“『狼男』をリメイクしたらどうだろう?”と思わず言ってしまったんだ」
まさかデル・トロのヒゲがきっかけでこの企画が動き出すとは驚き!
これも月の引力が引き寄せた不思議な運命なのでしょうか?
『狼男』以上の恐怖を味わわせてくれる『ウルフマン』。ぜひご期待ください!
4/23(金)、TOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー
本作はR15+指定です
(c) 2010 Universal Studios. All Rights Reserved.
本作のウルフマンの特殊メイクは、『狼男アメリカン』(81)のメイクで一躍名を馳せて以来、その道の第一人者として活躍しているリック・ベイカーが手がけている。彼は、今回のウルフマンをクリエイトするにあたり、本家『狼男』でジャック・ピアースが手がけた40年代の造形に敬意を払って可能な限りオリジナルに近いものにしようと努めた。
たとえ何時間かかろうと、本作でのメイク作業をデル・トロはおおいに楽しんだ。「子供のころ、ずっとこんな大きい歯を着けてみたかったんだ」とデル・トロは笑いながら言う。「椅子にどれだけ長い間座っても気にならない。リックがひとつずつ魔法をかけていくんだからね。目をつぶって、5分後に開いてみると、おお、これは……という感じになってる。すごいチームのメンバーと組んで、彼らがみごとな仕事をしている時は、どうぞおやりくださいという感じで身を任せていた」
1941年版の『狼男』と2010年版の『ウルフマン』の違いのひとつに、時代設定がある。41年版は当時のウェールズを舞台にしているが、『ウルフマン』は1890年代のガス燈で照らされたロンドンと、霧深いブラックムーアの村が背景となっている。
その結果、タルボット城として使われることになったのは、ダービシャーにあるチャッツワースハウスだった。現在はデヴォンシャー公爵夫妻が所有し、居住しているこの館は、1500年代に建てられたもので、パレス・オブ・ザ・ピークの呼び名で知られている。幸運にも、公爵夫妻から館の外観の修正を許されたハインリクスは、「映画を通して二面性を表現したい」というジョー・ジョンストン監督の意向を、タルボット城の美術に反映させることにした。