『スマーフ』~二次元のスマーフが三次元へ~
プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
今回は9/9(金)公開の『スマーフ』から。
スマーフたちを、見事に実写の世界に登場させた、
最高の特殊視覚効果についてご紹介します!
■~二次元のスマーフが三次元へ~
製作スタッフにとって、2Dの世界にしか存在していなかったスマーフをCGアニメーションの世界、そして、3Dの世界に置き換えるのは最も困難な課題だった。まずはセットで撮影監督のフィル・メヒューとプロダクション・デザイナーのビル・ボーズが、視覚効果スーバーバイザーのリチャード・R・フーヴァー、Sony Pictures Imageworks(SPI)シニア・アニメーション・スーパーバイザーのトロイ・サリバ、SPIシニアVFXプロデューサーのリディア・ボテゴニらとともにセットを建て、照明を当て、リンゴ3個分の主人公たちを後に付け加えることができるように撮影を行った。3D視覚効果スーパーバイザーのロブ・エングルは全てを3Dで表現できるよう撮影にも立ち合った。
プロダクション・デザインチームは実物大のセット…グレースとパトリックのアパートやベルベデア城のレプリカ、ガーガメルの地下牢などを作った。クライマックスのスマーフVSガーガメルの戦いのシーンについて、プロダクション・デザインのビル・ボーズは次のように説明する。「城は2~3の異なる階層から成っていて、ガーガメルがある階に着地、さらに下に降りてスマーフたちと戦うという設定にしたかった。そして、あらゆる方向からスマーフたちが攻撃をしかけてきて、それをガーガメルが真ん中で迎え撃つという、中世の戦闘シーンのような雰囲気が欲しかったんだ」
撮影のフィル・メヒューにとっても大きな挑戦だった。 スマーフが移動する方向に合わせて照明を当てるために、メヒューらはリハーサルで実物大(7.5インチ/約19㎝)のモデルを使用した。「そうやって正しい位置に照明が当たるようにしたんだ。アニメーションが加えられた時にどの位置にスマーフが来るかがわかるから、俳優たちの目線も合う。その後でモデルを外して撮影すると、スマーフたちが背景にぴったり収まって、リアルに見えるんだ」
実物大のスマーフのモデルを実写の世界に用いたことによる効果の1つが、スマーフの視点から撮影することで、世界が全く異なって見えるということである。スマーフの視野をクリエイトするために、リンゴ3つ分の高さからの視点を体験できる望遠鏡のような装置Smurf-O-Visionが作られた。
アニメーション・スーパーバイザーのトロイ・サリバは語る。「ワイヤーのフレームが入ってポーズをつけることのできるシリコンでできた小さなモデルを作ったんだ。これらを使ってスマーフの動きを定めることで、きちんとスマーフに照明を当てることができる。そこに俳優たちを入れてリハーサルを数回行った。最初は私がスマーフを動かしていたけど、慣れたところでスマーフ抜きで撮影したんだ」
最新の技術で描き出されたスマーフたちを、ぜひスクリーンでご堪能ください!
9月9日(金)、TOHOシネマズ 有楽座ほか全国ロードショー!
(c) Courtesy of Sony Pictures Animation
1988年、プロデューサーであり著名な洞窟探検家でもあるアンドリュー・ワイトは、自ら隊を率いてオーストラリアのナラボー平原の地下深くに隠れる洞窟を探検した。その最中、予期せぬ嵐に襲われて洞窟の入口が崩れ落ち、15人が地下深くに閉じ込められた。救出作戦が展開され、奇跡的にも全員が厳しい試練を乗り越えて生還したが、人生を変えるほどのこの出来事を、ワイトは、長年の仕事仲間であるジェームズ・キャメロンと組み、1本の映画へ発展させようと考えた。製作総指揮を務めるキャメロンは、事の経緯をこう話す。「5年くらい前、仕事で苦労を共にしてきたアンドリュー・ワイトが『サンクタム』の話を持ってきたんだ。すごくいいアイディアだと思った。アンドリューとは、それまでに何度か一緒に大冒険を経験した。海の未知の領域まで潜って今まで知られていなかった海底や海洋生物を調査し、いろんな発見もした。海底に沈んでいるタイタニック号やドイツの戦艦ビスマルクも一緒に調査したりしたんだ」
徹底的な人選の結果、キャメロンとワイトは、『サンクタム』の舵取り役としてアリスター・グリアソン監督に白羽の矢を立てた。決め手になったのは、オーストラリアの批評家から絶賛され、興業でも大成功をおさめたグリアソンの監督作『男たちの戦場』だ。この作品を見て、グリアソンに「一家言ある監督」の素質を見出したキャメロンとワイトは、『サンクタム』に対するグリアソンの心構えを判断するために時間をさいた。キャメロンは笑いながら語る。「アンドリューは、アリスターをケーブ・ダイビングに連れて行き、ひどく怖い思いをさせた。でも、アリスターが落ち着きはらって洞窟から出てきたときには、彼がケービングに対して敬意を払い、理解もしていると感じた。その時点でアリスターは、『サンクタム』を撮る心構えが100パーセントできたと言ってもいい。むしろ3Dの映画の撮り方を身につけるほうが、彼にとっては苦労が多かったようだ。向こうから“3Dの映画を撮りたい”と言ってきたわけじゃないからね」


