« イスラエル=フランス発『ジェリーフィッシュ』 | メイン | フランス発『ぼくの大切なともだち』 »

アメリカ=チェコ発『幻影師アイゼンハイム』

全米公開時スタートはわずか51館。その後、作品の良さが次々と口コミを呼んだ結果、公開劇場は1,438館にまで拡大し、インディペンデント系作品としては異例のロングランヒットを記録しました。

■STORY
舞台は19世紀末のウィーン。ハプスブルク帝国末期の芸術文化の都では、大掛かりな奇術=イリュージョンを披露する「幻影師」が人気を集めていました。

中でも人々を魅了していたのは、エドワード・ノートン演じる、アイゼンハイムという名の幻影師。ある日彼は舞台の上で、幼なじみのソフィ(ジェシカ・ビール)と再会。皇太子の婚約者として注目を集める彼女は、その後ほどなく皇太子邸で謎の死を遂げることに。謀殺の噂も立つ中、アイゼンハイムはソフィの幻影を蘇らせる前代未聞のイリュージョンを発表し…。

公式サイト

■世紀末のウィーンへ想いを馳せて

「石畳の道、そこに並ぶガス灯。プラハは世紀末のウィーンを表現するには最適の場所だ」と監督・脚本を手がけたニール・バーガーは語っています。撮影は2005年5月にヨーロッパの古都で始まりました。

監督は、モノクロのイメージを残す19世紀末のカラー撮影手法「オートクローム」や「手回しカメラ」といったイメージを提案。一方で衣装デザインには、忠実さに加えキャラクターへの読みの深さを求めたそう。

「山高帽にサテン地のマントといったありきたりな奇術師のイメージではなく、むしろ知的な発明家や芸術家のイメージ。トリックを際立たせる為に衣装はできるだけシンプルに抑えた」とアイゼンハイムの造形について語るのは、『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』でアカデミー賞を受賞したナイラ・ディクソン。彼女は作品に惹かれたポイントを「私がこの時代に魅了されたことは、人々が変革を試みながらも、厳しい規律の下で身動きが取れなかったこと」だと語っています。自分の家族が属する階級、その伝統、歴史に抵抗感を覚えていたソフィにとって、アイゼンハイムはそこから抜け出させてくれる「鍵」だったのではないか、とも。

当時の時代背景や風景など、様々なものに想いを馳せながら撮影された本作は、アイゼンハイムの披露するイリュージョンに彩られ、サスペンスに満ちた展開を見せていきます。


■映画から観る19世紀末のウィーン

●音楽や絵画をこよなく愛する人々
舞台となっている19世紀末のハプスブルク帝国は、オーストリア=ハンガリー二重帝国となったため多民族国家としての問題がさらに大きくなっていた時期。その閉塞した現実から逃れるように、ウィーン市民は音楽や絵画をこよなく愛し、ヨハン・シュトラウスのワルツ、マーラーの交響曲、世紀末のクリムトなどの芸術文化に親しんでいました。

■DATA
5月24日(土)より シャンテ シネほか全国ロードショー
2006年/アメリカ=チェコ/109分
配給:デジタルサイト/デスペラード

(c)2006 Yari Film Group Releasing, LLC. All Rights Reserved.

監督・脚本:ニール・バーガー
出演:エドワード・ノートン/ポール・ジアマッティ/ジェシカ・ビール ほか

2008年05月08日 21:20

この記事へのトラックバックURL:
http://blog.eigafan.com/cgi-bin/mt-tb.cgi/1061

 
東宝東和株式会社