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ロンドンLesbian&Gay フィルムフェスティバル開催

今年で20 回目を迎えるLGF(レズビアン・ゲイフィルムフェスティバル)がロンドンで開催されている。

意外にオープンなイギリス・ゲイカルチャー

アン・リー監督の『ブロークバック・マウンテン』を例にあげるまでもなく、同性愛やトランス・ジャンダーをテーマに含んだ作品が市民権を得て久しい。同性間の結婚が(ほぼ)承認されつつある時代、もはや、そういったジャンルわけ自体に意味がない、ともいえるかもしれない。

保守的で伝統を重んじる国という印象の強いイギリスだが、実はヨーロッパでは同性愛に関してもっともオープンな国である。ゲイのメッカといわれるSOHOに行けば、おしゃれなゲイのカップルが堂々と街を闊歩しているし、英国版おすぎのような存在の毒舌コメディアン、グレアム・ノートンも人気モノ。音楽界の大御所エルトン・ジョンにジョージ・マイケル、ボーイ・ジョージも、みんなイギリス出身のカミングアウト済みアーティストである。

NY出身の知人のゲイ男性によれば、「アメリカよりイギリスのほうが、ず~っと偏見が少ないよ」だそうだ。サンフランシスコのゲイタウンが有名なアメリカだが、それ以外のところではまだまだ同性愛への差別意識は強いとか。ゲイに冠する運動が盛んなのも、その反動から来ているのだという。

さて、そんなオープンなイギリスで行われるゲイ関係のメジャーイベントといえば、毎年3万人以上のゲイピープルが集まってパレードを行う「ゲイ・プライド」、そして「レズビアン&ゲイ・フィルムフェスティバル」である。同性愛をモチーフに含むイギリス映画は数が多く、古いところで言えば『モーリス』、最近では『オスカー・ワイルド』など、耽美な名作がいくつもある。
 
20周年を迎えるLGF

今年で20回目を迎えるLGFだが、この期間中に上映されるのは、何も同性愛ばかりに重きをおいたものばかりではない(もちろん、何らかのテーマではある)。スペシャル上映の作品には、UK作品の『GYPO』、自身もカミングアウトしているフランスの名匠フランソワ・オゾンの『Time to leave ぼくを葬る』やグウィネス・パルトロウ主演のラブコメ『偶然の恋人』を監督したドン・ルースの『ハッピー・エンディング』などが並び、なかなか興味がそそられるラインナップ。

『ハッピー・エンディングス』(日本公開未定)は、息子を里子に出した過去を持つ男とそれをネタに彼をゆする映画監督志望の青年、子持ちのレズビアンカップル、その子供の精子提供者になった(疑いのある)男性カップルが登場する入り組んだ映画。

日本でも4月22日~公開予定の『ぼくを葬る』は若く美しい男性フォトグラファーが余命3ヶ月と宣告されるところから始まるストーリー。祖母役にジャンヌ・モローを迎えたこの作品は、夫を喪失した中年女性の心のひだを写した『まぼろし』に続く、愛と死の3部作の2つ目にあたるとか。前作が素晴らしかっただけに、注目度も高そうだ。
映画祭は今週、4月12日まで開催の予定。

公式HP
http://www.llgff.org.uk/

TEXT BY シラヤナギリカ


 

2006年04月11日 12:05

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