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ロンドンのeiga関連スポット情報1~映画祭も開催“ノッティング・ヒル”~

 今回はロンドン各地にある映画関連ホットスポットから、観光名所でもあるノッティング・ヒルをフューチャーしてご紹介。

 ジュリア・ロバーツとヒュー・グランド主演のラブコメディ『ノッティング・ヒルの恋人』で一躍有名になったノッティング・ヒル。  夏の終わり、毎年8月末にこの地で行われる ノッティング・ヒル・カーニバルは、ヨーロッパ随一、世界でもリオのカーニバルに次ぐ大規模イベントである。

 街中に陽気な音楽が鳴り響き、派手な衣装を着込んだパレートが行き来するこのイベント、元々はこの地域に住むブラックカリビアンたちによって始められたもの。

 英国で厳しい生活環境にあった彼らが、自らのルーツへの誇りや日々の憤りを発散するべく、集まって音楽やダンスを楽しんだのがその始まりだとか。60年代にはカーニバルに参加するカリビアンたちと警官との小競りあいがあったりと、にぎやかで楽しいお祭りとは裏腹に、英国に住む移民たちの熱い思いが詰まったイベントなのである。

 バージングループの社長やマドンナ、オアシスのメンバー等、セレブが暮らすハイソな顔と移民層の多い庶民的な顔、その二つの異なる顔が、ノッティング・ヒルという街の懐の広さを感じさせる魅力のひとつといえる。


インディーズ系映画祭も開催されるノッティング・ヒル

 熱~いカーニバル同様、夏の風物詩のひとつとなりつつあるのが、ポートベロー・フィルム・フェスティバル。 ノッティング・ヒルのポートベロー通りといえば、世界最大のアンティーク蚤の市や露店でにぎわう、必見観光スポットでもある。

 インディペンデント系フィルムや短編映画、カルトムービーを中心に上映する ポートベロー・フィルム・フェスティバルは、新人監督やアーティストに発表の場を与える目的で1996年に始まった比較的新しい映画祭。とはいえ、スタート当時は野外テントで細々と行われていたものが徐々に成長し、今では街中のギャラリーやクラブ、公園の野外スクリーンなど、あちこちで関係イベントが行われるほど、年々その規模を拡大中。動員数ものべ1万5000人!だそうで、このフェスで上映された作品がエジンバラやカンヌでも上映されるなど、アーティな人々必見の映画祭なのだ。

 3週間にわたって行われるこの映画祭の嬉しいところは、入場料が無料!というところ。お金はなくても新しい感性の映画を見たい、という学生たちにも絶好のチャンスである。


秋には新顔ノッティング・ヒル映画祭も

 もうひとつ、最近、ノッティング・ヒルで開催される映画イベントに加わったのが ノッティグ・ヒル・フィルムフェスティバル。こちらはさらに新顔のイベントで、今年で4回目を迎える、まさにニューフェイスの映画祭である。今年の詳細は未定だが、昨年はロンドン出身の俳優スティーブン・フライや『ケス』の有名監督ケン・ローチなど招いたイベントも開催され、これからが楽しみな映画祭といえそう。

これまではおしゃれなレストランやアンティークマーケットで有名だったノッティング・ヒル、今年の秋は映画ファンにも楽しめる街になりそうだ。


TEXT BY シラヤナギリカ

2006年08月30日 21:18

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