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渋め、文芸ドラマでイギリスの秋

毎年恒例のXファクターなど、秋の新番組が各局で放映中。大人も楽しめるお色気ありの文芸ドラマなど、最近のドラマ情報を紹介。

THE OSの影響? おぼこい高校生が激減

 週末、テレビをつけるときらびやかなセレブ・ティーンがきゃぁきゃあ、とプールで泳ぐ映像が目に入った。その瞬間「あ、これはイギリスのドラマじゃないね」と気づく私。年がら年中天候の悪いイギリスでは、たとえ庭にプールがあるお金持ちでも、そうそう泳ぐ機会などあるわけがないのだ。案の定、それは常夏(かどうかはしらないけど)のLAドラマ、THE OCであった。
 イタリアやフランスなど、ヨーロッパ各国で放映中のこのドラマ、個人的には「21世紀版の『ビバヒル青春白書』かぁ」という程度にしか興味がわかないが、どうもイギリス国内では、大人気らしく、英国ティーンの間では「あんな風になりたいわ…」という憧れのドラマだという。

私が見ていた番組は、こうした米国ドラマはティーンに悪影響だ!というマジメなドキュメンタリーだったのだが、番組によれば、ファッション雑誌の「○○みたいになれるコーディネート」とメイクをまねし、パーティでドラッグやアルコールに手を染める、セレブ憧れのおばかさんがイギリス中に大増殖しているのだという。フットボーラー、ルーニーの恋人のコリーンがどこかの新聞で、セレブのまねをするティーンへの警告として「高い服を着なくても素敵になれるわ」とコメントしていたこともあったし(…全身ブランドまみれの彼女が言っても説得力は0なのだが)、ティーンのUSA憧れは実は深刻な問題なのかもしれない。

古典・文芸ドラマ『ジェーン・エア』

 さて、その一方でイギリスらしい古典ドラマや長寿ドラマ『イーストエンダー』『コロネーションストリート』も健在。正直、毎回いろいろな問題が起きては解決、起きては解決する、この手のドラマ(英国版『渡る世間は…』のような?)には食指が動かなかったのだが、ティーンのドラマについていけない歳になった今、次に進むべきはこの道のような気もしないでもない。

 この秋に放映中の古典ドラマの注目株といえば、ブロンテ原作の『ジェーン・エア』。小さい頃から苦労の多い人生を歩んできたジェーンが教師の職を得てお屋敷で暮らしだすのだが、そこでは不可思議な出来事が…。
BBCの文芸ドラマといえば、映画にもなった『高慢と偏見』が有名だが(主演のコリン・ファースは『ブリジット・ジョーンズの日記』にも出演した正統派二枚目)、今秋の『ジェーン・エア』もさすがにBBCらしいマジメかつ見ごたえのあるドラマである。ジェーン役のルース・ウィルソンは、クラッシクなコスチュームもしっくり着こなす普遍的な色気と美しさがあり、インテリおばさんだけでなく、世の男性にも好評のよう。これまでは何本かのショートフィルムと舞台が活動の場だった彼女だが、これを機にTVスターへの道を歩くことになるか?

 こうした文芸ドラマを見るのはインテリ女性ばかりかと思っていたが、番組のレビュー欄には「高校生だけど毎週欠かさず見ている」という女子もいるので驚き。さらには「私の愛読書をこんなドラマにするなんてひどい!」という不満の声、「今までになく素晴らしい」という賛同の声などなど、日本の大河ドラマよろしく、文芸ドラマには厚~い固定ファンがいるようだ。コスチュームものはどうも…と敬遠していたものの、食わずキライをやめてみると、案外毎週欠かせないmustドラマになっていくのかも。

HPはこちらから。

TEXT BY シラヤナギリカ

2006年10月26日 11:50

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