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Happy Thanksgiving! 映画で見る感謝祭

アメリカの11月・第4木曜日は”Thanksgiving Day”=「感謝祭」。今年は11月23日がその日となっています。ハロウィンとクリスマスに挟まれたこの祝日、アメリカの各家庭ではかなり盛大にお祝いします。お父さんや男の子達はテレビの前でNFLの試合に夢中になり、女性陣は朝からまるごと一匹の七面鳥に詰め物をして丸焼きにし、それにグレービー・ソースとクランベリー・ソースを添えて家族全員でいただく特別な休日。他にも、マッシュドポテトや温野菜、パンプキンパイやアップルパイなどで食卓が彩られる、日本で言うお盆やお正月のような、家族で過ごす一日となっています。


サンクスギビングを前にした花屋さん
日本ではあまり馴染みのないThanksgiving Dayですが、実は様々な映画の中に登場します。家族・親戚が一挙に集まる一日だけあって、家族愛がテーマになっている作品が多いようです。異文化を学ぶには、映画は最高の教科書のひとつ。今回は、そんな感謝祭の様子が出てくる映画をご紹介します。

まずは、ウディ・アレン監督の”Hannah and Her Sisters (1986)” (邦題:ハンナとその姉妹)。感謝祭に3姉妹が自分の彼氏や旦那様を連れて集まり、楽しいひとときを過ごすはずが、突然そこに「おかしな関係」が生まれることに。ハイピッチでシニカルな会話と心地よい音楽で、各々の問題を抱えたキャラクター達と彼らの人生が綴られた作品。

次は、ホーム・アローンシリーズでお馴染みのジョン・ヒューズ監督による”Planes, Trains & Automobiles (1987)” (邦題:大災難 P.T.A)。スティーブ・マーティン扮するニールは、感謝祭に実家に帰るはずが、悪天候の為にフライトがキャンセル。おまけに、居合わせたお喋りな乗客に悩まされることに。ニールは無事に家に辿り着けるのか?コメディの傑作とも言えるこの作品の邦題にはちょっとビックリしましたが、P.T.A.とは原題の頭文字のよう。

“Home for the Holiday (1995)” (邦題:ホーム・フォー・ザ・ホリディ / 家に帰ろう)は、ジョディー・フォスターの「リトル・マン・テイト(1991)」に続く映画監督第2作。ワガママ邦題の娘や家族に振り回されつつ、自分の人生を見つめる女性を描いた、ホリー・ハンターとロバート・ダウニー・Jrが主演するラブコメディ。

そして、昨年「ブロークバック・マウンテン」でアカデミー最優秀監督賞に輝いたアン・リー監督の”The Ice Storm (1997)” (邦題:アイス・ストーム)は、1973年のアメリカの片田舎を舞台にした、感謝祭後に起こる家族崩壊を描いた物語。シガニー・ウィーバーなどのベテラン俳優や、現在大活躍のイライジャ・ウッド、クリスティーナ・リッチ、トビー・マグワイアなどの若手陣、先日イタリアでトム・クルーズと挙式を行ったニュースで持ちきりの、ケイティ・ホームズが出演。


どこもかしこもターキーの広告ばかり
最後に、「ギルバート・グレイプ(1993)」の原作・脚本家としても知られるピーター・ヘッジ監督初作品の”Pieces of April (2003)” (邦題:エイプリルの七面鳥)。またもやこちらでも、花嫁になりたてホヤホヤのケイティ・ホームズが主演。生まれてこのかた料理をしたことが無いエイプリルが、オーブンの故障にもめげず家族に感謝祭のディナーを作ろうと奮闘する、心温まるコメディドラマ。ケイティ・ホームズのパンク姿も見もの。

このシーズンになると、周りの人々に帰省の話題がチラホラと出始め、「外国人」である筆者などはちょっぴりホームシックになってしまいがち。ですが、そんな家族から離れている人々が集まってのホームパーティーや、木曜から週末にかけての「秋休み」とでも呼びたくなるような大型連休、感謝祭の翌日にある大バーゲンなど、アメリカ人だけでなく、我々にとってもちょっとウキウキしてしまう時期でもあるのです。日本には無いThanksgiving Day、これらの映画に登場する美味しそうなご馳走とともに、映画を通して雰囲気だけでも味わってみてはいかがでしょうか。


TEXT BY アベマリコ

2006年11月24日 16:56

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