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ハリウッドスターがあがめるカリスマシェフ、ノブ
ハリウッドスターに熱狂的に支持されているカリスマシェフ、“ノブ”こと、松久信幸氏が、ロサンゼルスタイムズが選んだ、「努力で勝利を勝ち取った人」90年代部門の1人に選ばれた。日本でも、超高級レストラン“MATSUHISA”のオーナーとして知られているノブ氏だが、実はハリウッドとは並々ならぬ関係にある。
松久信幸氏。1949年生まれの57歳。トラディショナルな日本料理とアメリカ料理を組み合わせ、フュージョンと呼ばれる日本食の分野を作り上げた伝説のシェフだ。あるいは、マイク・マイヤースの大ヒットコメディー、「オースティン・パワーズ(02)」で、穴に落されちゃったオチャメなオジサン、といった方が分かりが早いかも。そう言えば、「メモワール・オブ・ゲイシャ(05)」<邦題「SAYURI」>でも顔を見せていた。
キャメロン・ディアスやトム・クルーズが“ハーイNOBU!”と気軽に声をかけ、撮影の終わったスピルバーグが“今日はNOBUのところで一杯やるか”と夜中に訪れるハリウッド御用達レストラン、NOBU。有名プロデューサーから若手俳優まで、 “ノブのレストラン”は広く支持されている。MATSUHISAで、NOBUに顔を覚えられ、声をかけられるというのは、ハリウッドスターの間でステイタスでさえあるのだ。
NOBUの人生は、ハリウッド映画並みの波乱万丈に満ちている。18歳で寿司職人に弟子入りし、その後南米に渡ったNOBUは、苦労の末24歳の時にペルーで最初の店をオープンする。その後、アラスカにも店を開き、やっと努力が実ったかに見えたある日、店が火事で焼け落ちてしまう。何もかも失ったNOBUは、1977年、所持金24ドルで単身米国に乗り込み、日本レストランの下働きとなる。最初は安アパートからスタートしたNOBUの米国生活だが、やがてここでも自分の店を持つ。
そして、ある日、運命の日が訪れる。撮影の合間にフラリとNOBUレストランを訪れた名優ロバート・デ・ニーロ。熱狂的な日本食ファンで知られるデ・ニーロだが、何気なく注文した鱈と味噌スープのあまりのうまさに驚き、その場で逆立ちしたという(ウソ)。寿司がすっかり気に入ったデ・ニーロは、その後も事あるごとにNOBUを訪れ、やがて二人はすっかりマブダチになってしまう。デ・ニーロの出資でレストランをオープンする事になってからは、口コミでハリウッドセレブが次々訪れるようになり、一気に有名人に。今ではニューヨークの3軒を含み、世界中に16件の店を持つレストラン王になった。
ハリウッドを目指す若者に、「夢は“NOBU”で食事をするようになること」とまで言わせるマツヒサ氏。 成功の秘訣は?という質問に、明快に答えている。「努力をする人はたくさんいるが、それを長年継続させる人は少ない。続けていれば何かがあるよ」。勇気が出る言葉ではないか。
TEXT BY 中山亨(なかやまとおる)
松久信幸氏。1949年生まれの57歳。トラディショナルな日本料理とアメリカ料理を組み合わせ、フュージョンと呼ばれる日本食の分野を作り上げた伝説のシェフだ。あるいは、マイク・マイヤースの大ヒットコメディー、「オースティン・パワーズ(02)」で、穴に落されちゃったオチャメなオジサン、といった方が分かりが早いかも。そう言えば、「メモワール・オブ・ゲイシャ(05)」<邦題「SAYURI」>でも顔を見せていた。

NOBUの人生は、ハリウッド映画並みの波乱万丈に満ちている。18歳で寿司職人に弟子入りし、その後南米に渡ったNOBUは、苦労の末24歳の時にペルーで最初の店をオープンする。その後、アラスカにも店を開き、やっと努力が実ったかに見えたある日、店が火事で焼け落ちてしまう。何もかも失ったNOBUは、1977年、所持金24ドルで単身米国に乗り込み、日本レストランの下働きとなる。最初は安アパートからスタートしたNOBUの米国生活だが、やがてここでも自分の店を持つ。
そして、ある日、運命の日が訪れる。撮影の合間にフラリとNOBUレストランを訪れた名優ロバート・デ・ニーロ。熱狂的な日本食ファンで知られるデ・ニーロだが、何気なく注文した鱈と味噌スープのあまりのうまさに驚き、その場で逆立ちしたという(ウソ)。寿司がすっかり気に入ったデ・ニーロは、その後も事あるごとにNOBUを訪れ、やがて二人はすっかりマブダチになってしまう。デ・ニーロの出資でレストランをオープンする事になってからは、口コミでハリウッドセレブが次々訪れるようになり、一気に有名人に。今ではニューヨークの3軒を含み、世界中に16件の店を持つレストラン王になった。
ハリウッドを目指す若者に、「夢は“NOBU”で食事をするようになること」とまで言わせるマツヒサ氏。 成功の秘訣は?という質問に、明快に答えている。「努力をする人はたくさんいるが、それを長年継続させる人は少ない。続けていれば何かがあるよ」。勇気が出る言葉ではないか。
TEXT BY 中山亨(なかやまとおる)
2006年11月20日 11:47
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