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2012年02月23日
どうなる?2012年度オスカー予想
映画賞の最高峰=アカデミー賞も直前に迫り、いよいよ大詰めを迎えている2012年賞レース。これまでの軌跡や各アワード受賞結果といった豆知識を交えつつ、ここで本年度のオスカーを予習しておきましょう。

2001年のオープンから約10年半、
Kodakの名称が消えることに。
そんな中、式典のおよそ1週間前に飛び込んできたのが、セレモニーの会場となるコダック・シアター改名のニュース。オープン以前の2000年より、同劇場を所有するCIMグループと20年間のネーミング使用契約を結んでいたコダック社でしたが、今年1月中に米連邦破産法を申請。その承認にともなって、劇場名から「Kodak」の名称が外されることになりました。よって、LAのランドマーク的な存在であった「コダック・シアター」も、本年度のオスカー授賞式をもって見納めに。なお今後の開催地については、ダウンタウンはL.A.ライブ内のノキアシアターが候補に挙がっていると伝えられていますが、新しいスポンサーが見つかるようであれば、現在のシアターに残る可能性も捨て切れないようです。
さて、本年度の賞レースにおける主要部門を見比べてみると、現時点では白黒サイレント作品「アーティスト」が頭ひとつぶん抜き出ている状態。当初はジョージ・クルーニー主演の「ファミリー・ツリー」が各カテゴリーにて有力視されていましたが、ゴールデン・グローブ賞では両作品がコメディ・ミュージカルとドラマ部門で人気を二分、米俳優組合が主催するSAGアワードでは「ヘルプ 心がつなぐストーリー」の猛追によって、「ファミリー・ツリー」が若干かすんでしまう流れとなっていました。そして、英国アカデミー主催のBAFTAアワードにおいては、満場一致で「アーティスト」が各賞を総ナメに。また、ミシェル・アザナビシウス監督(「アーティスト」)、アレキサンダー・ペイン監督(「ファミリー・ツリー」)、そしてマーティン・スコセッシ監督(「ヒューゴの不思議な発明」)らによる三つ巴の戦いが期待されていた米監督組合賞においても、「アーティスト」に軍配があがっており、作品賞、監督賞、主演男優賞のオスカー像は、ハリウッド黄金期を描いたフランス生まれの当作品が持ち帰る可能性が大と見られています。
一方、上記の3部門に比べて全くブレることのない男女それぞれの助演部門は、恐らくこのままクリストファー・プラマー(「人生はビギナーズ」)とオクタヴィア・スペンサー(「ヘルプ 心がつなぐストーリー」)のコンビが突っ走る格好で決まり。唯一、ちょっとした番狂わせが期待できそうなのが、ヴィオラ・デイヴィス(「ヘルプ 心がつなぐストーリー」)、メリル・ストリープ(「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」)、ミシェル・ウィリアムズ(「マリリン 7日間の恋」)らを擁する主演女優賞カテゴリーでしょう。最有力候補に目されるデイヴィスを追うのは、「ソフィーの選択 (1982)」でのアカデミー賞獲得以降、かれこれ29年が経っているメリル・ストリープ。制作会社TWCことザ・ワインスタイン・カンパニーが他社に依頼して打ったアカデミー規定すれすれの「Eメール・キャンペーン」に巻き込まれてしまった彼女ですが、制作サイドによる判断は吉と出るのでしょうか? そして3度目のアカデミー賞ノミネートにして、オスカー像を虎視眈々と狙っているのが、小悪魔的なマリリン・モンローを好演したウィリアムズ。ゴールデン・グローブ賞でのミュージカル・コメディ部門主演女優賞獲得に続き、大穴での受賞に期待の声が上がっています。
2012年度のアカデミー投票結果は、すでにPwCが保管する金庫の中。ここまで来たら、各ノミネート者や候補作品の関係者は、まるで「まな板の鯉」のような気分?もしくは、長きにわたったプロモーション活動を振り返って、やっと一息ついている頃かもしれません。すでにカウントダウンが始まっている、The 84th Academy Awards。来週のオスカー特集では、ハリウッドの最もグラマラスな一夜を存分にお伝えしていきます。
TEXT BY アベマリコ
2012年02月16日
「天使の歌声」に捧ぐ: 第54回グラミー賞
栄えあるグラミー賞のセレモニー前日。レッドカーペットの準備に追われていたロサンゼルス、そして世界中をも揺らしたホイットニー・ヒューストンの訃報。2012年度のGrammys は当初のプログラムを変更し、世紀のディーヴァへ手向けるトリビュートとして催されました。

正確なピッチと圧倒的な美声を誇った
ホイットニー・ヒューストン、享年48歳。
Photo by zennie62 on Flickr
ブルース・スプリングスティーンとEストリート・バンドとのコラボレーションで幕が上がり、続いてステージに立ったのは、本年度のホストを務めたLL・クール・J。「我々ファミリーに、不幸がありました」と口を開くと、会場を埋め尽くしたゲストやファン達とともに、ヒューストンへ黙祷を捧げました。彼によるこの日の司会進行は、突然の悲報にも努めてポジティブに受け留めたもの。今は亡き歌姫へのリスペクトを湛え、彼女がもたらした美声を祝福する様子には、各媒体より賞賛の声が上がっています。その後、豪華ゲストによるパフォーマンスでは、ブルーノ・マーズ、アリシア・キーズ、リアーナ、スティーヴィー・ワンダーといった顔ぶれが、声高らかに楽曲をヒューストンに捧げており、ジェニファー・ハドソンが言わずと知れたあの名曲 ”I Will Always Love You”を歌い上げると、ステージは満場の拍手に包まれました。
<第54回グラミー賞: ゲスト・パフォーマー/出演順>
ブルース・スプリングスティーン&Eストリート・バンド、ブルーノ・マーズ、アリシア・キーズ&ボニー・レイット、クリス・ブラウン、ケリー・クラークソン&ジェイソン・アルディーン、フー・ファイターズ、リアーナ&コールドプレイ、ビーチボーイズ&マルーン5&フォスター・ザ・ピープル、ポール・マッカートニー、ザ・シヴィル・ウォーズ、テイラー・スウィフト、ケイティ・ペリー、アデル、トニー・ベネット&キャリー・アンダーウッド、ジェニファー・ハドソン、デヴィッド・ゲッタ&クリス・ブラウン、フー・ファイターズ&デッド・マウス、ニッキー・ミナージュ、(トリ)ポール・マッカートニー&ブルース・スプリングスティーン&ジョー・ウォルシュ&ラスティー・アンダーソン&ブライアン・レイ、デヴィッド・グロール
受賞結果を見てみると、2012年度は圧倒的な強さを見せつけた「アデル・イヤー」。最多7部門のノミネートを数えたカニエ・ウェストの次点6部門に迫っていた彼女ですが、年間アルバム賞、レコード賞、楽曲賞といった主要部門全制覇となる6冠に輝いています。昨年に受けた声帯手術から初めてとなるパフォーマンスは、この日のハイライトのひとつ。弱冠23歳にして聴く者を魅了してしまう貫禄の歌声は、同胞であるポール・マッカートニー、そして各ポップ部門で同時にノミネートされていたリアーナらアーティストによるスタンディング・オベーションを浴びています。失恋の痛手を「The Voice」と謳われる歌声で紡いできた彼女ですが、この先4~5年間は静養しつつ、会場にも同伴していた新恋人とゆっくり過ごしたいと語っているとのこと。これにはファンの悲鳴が聞こえてきそうですが、次のアルバムは幸せいっぱいのラブソング尽くしになるかもしれません。そんな乙女なアデルに続いて、フー・ファイターズは5部門を獲得、カニエ・ウェストは4部門にてグラモフォン(蓄音機)型トロフィーを持ち帰っています。
第54回グラミー賞: 主要部門受賞リスト
年間アルバム賞: アデル「21」
年間レコード賞: アデル “Rolling in the Deep”
楽曲賞: アデル&ポール・エプワース “Rolling in the Deep”
ポップ・ボーカル・アルバム: アデル「21」
ポップ・ソロ・パフォーマンス: アデル “Someone Like You”
ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス: トニー・ベネット&エイミー・ワインハウス「Body and Soul」
ロック・パフォーマンス: フー・ファイターズ “Walk”
ロック・アルバム: フー・ファイターズ「Wasting Light」
R&Bソング: シーロー・グリーン&メラニー・フィオナ “Fool for You”
R&Bアルバム: クリス・ブラウン「F.A.M.E」
ラップ・コラボレーション: カニエ・ウェスト “All of the Lights”
ラップ・アルバム: カニエ・ウェスト「My Beautiful Dark Twisted Fantasy」
カントリー・ソング: テイラー・スウィフト “Mean”
カントリー・アルバム: レディ・アンテベラム「Own the Night」
新人賞: ボン・イヴェール
3時間半に渡ってCBS局にて放映された、The 54th Grammy Awards。トロフィーをさらったアデルを始め、会場を訪れた誰もが惜しんだホイットニー・ヒューストンとの「お別れ会」は、故マイケル・ジャクソンが8冠を制した1984年度に次ぐ過去ベスト2の視聴率を樹立、およそ3900万人もの人々がチャンネルを合わせたと報じられています。グラミー賞を総ナメにしたベスト・セラー ”I Will Always Love You”のタイトル通り、彼女自身と奇跡の歌声はこれからもずっと愛され続けていくことでしょう。”Voice of An Angel”を持ったディーヴァのご冥福を、心よりお祈りいたします。
TEXT BY アベマリコ
2012年02月09日
大和撫子 in Hollywood!アーティスト: 田中真裕美さん
ハリウッド随一のパワーカップル、ブラッド・ピット&アンジェリーナ・ジョリーに始まり、ジェイ・Z&ビヨンセ夫妻、デヴィッド&ヴィクトリア・ベッカム夫妻、クリスティーナ・アギレラ、ジェニファー・アニストン、トビー・マグワイアにニール・パトリック・ハリス…といった錚々たる顔ぶれ。そんな彼らには、コンテンポラリー・アート(=現代芸術、現代美術)のコレクターという共通点があることをご存知でしたでしょうか?ここハリウッドは、俳優やミュージシャン、そして芸術家といった「夢追い人」が集う街。そこで今回は、当地で活躍中の日本出身アーティスト: 田中真裕美さんにインタビューをお願いしました。

今回お話を伺った田中真裕美さん。
昨年5月に行なわれた個人展「Unhealthy」にて。
Q. まずは、いつ頃からアートに目覚められたのでしょうか?また、今日ある多様なパフォーマンスへとシフトしたきっかけを聞かせてください。
まだ幼い頃、姉が近所のお絵かき教室に通っていて、わたしも遊びに行く感覚で通いだしたのが始まりかと思います。それ以来、家でも描きながらそのままの姿勢で寝るくらい絵が大好きになって、毎日描いていましたね。あと、今では漫画は一切読まないのですが、小学生の頃は「ちびまる子ちゃん」が好きで、漫画家を目指してギャグ漫画を何冊も書いた時期もありました。その後は、父親が美大を出ていたのもあって、わたしも美術の方面へ進もうと専門学校へ入りました。数か月に1度、みんなの前で先生たちに自分の作品をボロクソに言われる30分間の講評会があって、若かったわたしはすっかりその言葉を真に受けていたのを思い出します。

「Sister (2008)」
アクリルガナッシュ/水彩紙/12×9
Q. 現在はLAを拠点に活躍されていますが、どうして当地を選ばれたのでしょうか?
20代前半に、その当時のまま日本社会で働いてお金を稼いで生きていくことに自信がなくなって、以前の旅行で気に入っていたLAに短期留学したことがあったんです。で、その経験があまりにも素敵なものだったので、アメリカにもう1度行こうと決めました。せっかくだから、次は他の街にしようと、アート活動がさかんなNYへ行ってみたのですが、わたしが住んでいた東京にすごく似ていて、都会に疲れてやって来たわたしには合わないと思ってしまったんです。人ごみや高層ビルで見えない空や、毎日みんな急いでいる街並みが好きではなくて。更にわたしはあまのじゃくな性格なので、周りみんなが夢を追いかけて頑張っている中にいると、つい自分は逆を行ってしまいたくなったり、まわりと比べては焦ったりしてしまうんです。そこで、今は活動をするなら暖かくて少し時間の流れがゆっくり感じられるLAに戻って、マイペースでやっていこうと決めました。アートならNYに居たほうがいいんじゃない?なんて周りの意見を聞きながら、わたしもどっちが正しい選択なのか分からず、本当に移動していいのかの相当悩んだのですが、もしLAが駄目だったらその時はまたNYに戻ればいいだけ、なんて開き直って、ジタバタするより行動に移してみることにしました。今はこの4年間にLAで出来たコネクションなどでアート活動をする機会も増えましたし、わたしにはスタート地点がこの街で合っていたなと思います。NYは、またいつか準備が出来た時に行ってみたい場所ですね。
Q. 渡米前に思い描いていた生活と実際に住んでみてからの毎日に、何か特別なギャップはありましたか?また、来てよかったと思われる点や、逆に苦労なさったエピソード、特別な出会いなどがあれば、お願いします。
東京ではもう生きていけないと逃げ出して来たわたしですが、アメリカの生活も楽なものではありませんでした。言葉の違いもそうですが、こちらのカスタマーサービスなどの対応の悪さに、何度も挫けそうになったりしています。今となっては日本の良さも分かって、恋しくなったりもする、無いものねだりのわたしです。けれど、今のわたしのアート制作においては、アメリカで活動することを選んで本当に良かったと思っています。ここ数年活動していて、チャンスの幅がすごく広がったと感じましたね。例えば日本にいた頃は、創作活動をしている人達が山ほどいるにもかかわらず、展示会になると、会場に高いお金を払って、お客さんを自分で呼んで…というシステムが多かったので、なかなか定期的に自分のアートを見せることが出来ないのが現実だったんです。

「Okey-Dokey (2010)」
アクリルガナッシュ/水彩紙/12×16
Q. どの作品を拝見しても、とても個性的かつリアルな雰囲気があり、ポップな色彩が目を引きますが、どういったインスピレーションが原動力および制作意欲になっているのでしょうか?
言葉でマイナスな気持ちを表現するのが下手なので、その代わりにその思いを絵で表現することが多いです。ハッピーな絵より、怒りや悔しさを描く方が楽しく描けたりします。きっと日本にいた時は、そんなにダークな部分を描いていなかったかもしれません。家族や親しい友人がいつも周りにいたので、常に誰かに聞いてもらえる環境にいたからじゃないかと思います。こっちへ来てからは、自分だけで考えることが多くなったので、そのフツフツした思いを描くようになりました。実に悲劇的な顔をした絵が出来ると、とても愛らしく思えます。時には、当てつけのような絵を描くこともあるかもしれません。「わたしにそんなことすると、後で絵にして恥かかせるわよ」というような。でもこわいだけの絵ではつまらないので、お茶目なワンポイントを入れたりポップな色を使って、ユーモアを入れるのが大切だと思っています。
Q. 今後の活動予定や展望がありましたら、ぜひお聞かせください。
今年の展示会の予定は、6月にサンフランシスコのKokoro Galleryというところで「Circle Of Life」というテーマで3人展を行います。同じく6月の後半には、オレゴン州のポートランドにある「Star E Rose」というカフェで個展を行う予定です。今年も住んでいるLAだけではなく、アメリカのいろいろな街で展示会をしていきたいと思っています。街によって雰囲気も人々の反応も違うと思うので、それはどんなもなのかたくさん経験していきたいですね。そこでの新しい出会いも、これからの楽しみのひとつです。作品を作ることについては、見てくれる人の反応を気にしてしまうが故、自分を小さな枠の中に入れて、そこで面白くないものを作ってしまうことがあるので、自分が思うまま自由に作っていける人を目指して前進していきたいです。最後に、ホームページに最新情報やアートのイメージなどがあるので、見ていただけたら嬉しいです。

「Me (2006)」カラーペン・色鉛筆/6×9
TEXT BY アベマリコ
2012年02月02日
アクターが選ぶベスト・アクター!第18回Screen Actors Guild Awards
米監督組合賞(Directors Guild of America Awards)、米製作者組合賞(Producers Guild of America Awards)、米脚本家組合賞(Writers Guild of America Awards)など、アメリカ国内のエンターテインメント系ギルド(組合)による授賞式の中でも、最も花形とされる米俳優組合賞。選ぶのも選ばれるのもアクターとあって、例年ひときわ多くのファンを魅了しています。

第18回SAGアワードの屋外バナー。
ギルド系アワードでは、それぞれの組合に所属するメンバー同士の投票により、最も優れた人物・作品が選出されており、SAGアワードもその例に洩れず。全国で10万人を超すSAG会員の中からランダムに選ばれたパネル・メンバーによってノミネート作品/俳優が選ばれ、全会員による無記名投票でアクター像の受賞者が決まります。また、オスカー投票を行なうアカデミー会員を占める「俳優枠」が最多人数を誇るため、SAGアワードをアカデミー賞の最有力前哨戦に挙げる声も多数。ゴールデン・グローブ賞(以下GG賞)を筆頭にした数ある授賞式の中でも、オスカー・レースを占うには恰好のセレモニーに数えられています。
それでは、まずは映画部門から。GG賞にて、ドラマ部門とコメディ/ミュージカル部門でそれぞれ人気を二分していた「ファミリー・ツリー (邦題)」と「アーティスト」でしたが、栄えあるアンサンブルキャスト賞を獲得したのは「ヘルプ 心がつなぐストーリー」。1960年代のアメリカ南部を舞台にしたドラマは最多4部門のノミネートを経て、主演女優賞(ヴィオラ・デイヴィス)、助演女優賞(オクタヴィア・スペンサー)を含む主要3冠に輝いています。また、ともにGG賞の主演男優賞を持ち帰っていたジョージ・クルーニー(ドラマ部門)、ジャン・デュジャルダン(コメディ/ミュージカル部門)に加え、大穴のブラッド・ピット(「マネーボール」)を交えた三つ巴の戦いは、白黒サイレント映画で往年のハリウッドスターを演じたデュジャルダンに軍配。同じくGG賞では、メリル・ストリープ(「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」)とミシェル・ウィリアムズ(「マリリン 7日間の恋」)が手にした主演女優賞は、前出のヴィオラ・デイヴィスがさらい、有色人種/性差別に触れた素晴らしいスピーチで会場の涙を誘いました。
その一方、混戦模様が何ともエキサイティングな映画部門に対して、TV部門は全体的に前年度のリピートばかり。本年度で6年連続、もはや無敵の様相を呈するアレック・ボールドウィン(「30 ROCK / サーティー・ロック (NBC)」)が、コメディ部門の主演男優賞を獲得。ご本人にとって7つめのアクター像を手にして、SAGアワード開始以来の最多受賞者に君臨しています。そしてドラマ部門の同賞には、昨年に引き続き2度目となるスティーヴ・ブシェミ(「ボードウォーク・エンパイア 欲望の街 (HBO)」)。また、同部門の主演女優賞には大女優ジェシカ・ラング(「アメリカン・ホラー・ストーリー (FX)」)、TV映画/ミニシリーズ部門の同賞には、エミー賞&GG賞に並んで「ミルドレッド・ピアース 幸せの代償 (HBO)」よりケイト・ウィンスレットが選ばれています。なおアンサンブルキャスト賞には、ともに昨年度から2年連続となる「ボードウォーク・エンパイア 欲望の街 (HBO)」(ドラマ部門)と「モダン・ファミリー (ABC)」(コメディ部門)。2012年度SAGアワードのTV部門は、デジャヴかと錯覚するほどの連続受賞が重なっています。
第18回Screen Actors Guild Awards 全受賞リスト
<映画部門>
主演男優賞: ジャン・デュジャルダン「アーティスト」
主演女優賞: ヴィオラ・デイヴィス「ヘルプ 心がつなぐストーリー」
助演男優賞: クリストファー・プラマー 「人生はビギナーズ」
助演女優賞: オクタヴィア・スペンサー「ヘルプ 心がつなぐストーリー」
アンサンブルキャスト賞: 「ヘルプ 心がつなぐストーリー」
スタントアンサンブル賞: 「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2」
<プライムタイムTV部門>
ドラマ部門主演男優賞: スティーヴ・ブシェミ 「ボードウォーク・エンパイア 欲望の街 (HBO)」
ドラマ部門主演女優賞: ジェシカ・ラング 「アメリカン・ホラー・ストーリー (FX)」
ドラマ部門アンサンブルキャスト賞: 「ボードウォーク・エンパイア 欲望の街 (HBO)」
コメディ部門主演男優賞: アレック・ボールドウィン 「30 ROCK / サーティー・ロック (NBC)」
コメディ部門主演女優賞: ベティ・ホワイト “Hot in Cleveland (TV Land / 原題)”
コメディ部門アンサンブルキャスト賞: 「モダン・ファミリー (ABC)」
TV映画/ミニシリーズ主演男優賞: ポール・ジアマッティ “Too Big To Fail (HBO)”
TV映画/ミニシリーズ主演女優賞: ケイト・ウィンスレット「ミルドレッド・ピアース 幸せの代償 (HBO)」
スタントアンサンブル賞: “Game of Thrones (HBO)”
★生涯功労賞: メアリー・タイラー・ムーア
どの作品/アクターが獲ってもおかしくない、賞レース映画部門 in 2012。アメリカ映画の祭典アカデミー賞の開催まで、早いものであと1ヶ月を切ったところです。オスカー投票の締め切りは、今月21日。今回のSAGアワードの結果を受けて、どれくらいの票数が動くことになるのでしょうか?
TEXT BY アベマリコ