『チェンジリング』~クリスティンの敵と味方が実名で登場~
プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
今回も現在大ヒット上映中の『チェンジリング』から。
■クリスティンの敵と味方が実名で登場
1928年のロサンゼルス市は専制的な政治基盤に牛耳られていて、ジョージ・E・クライヤー市長がそれを率い、ジェームズ・E・デイヴィス警察本部長と拳銃を振り回す警官たちが力を振るい、街中をおびやかしていた。そんな中で、警察によって探し出された少年が「自分の息子ではない」と異議を唱えたクリスティン・コリンズは、本当の息子を追い求める長い旅路の中で、支援者と中傷者の双方のグループとめぐりあうことになった。
脚本のJ・マイケル・ストラジンスキーは、長老派教会のグスタヴ・ブリーグレブ牧師、著名な刑事訴訟弁護士のS・S・ハーン、クリスティンにとって最強の敵となったJ・J・ジョーンズ警部など、当時のクリスティンを取り巻いた人物をできるかぎり実名のまま登場させた。
劇中でジョン・マルコヴィッチが演じるブリーグレブ牧師は、1928年当時、恐れを知らない地域活動家として名をはせていた。
自分のラジオ番組と説教を通じて、警察の腐敗を見過ごさないよう市民たちに訴え続けてきた彼は、クリスティン・コリンズの事件が起きたとき、彼女の弁護士と協力。
ウォルターの事件を埋もれさせず、さらに精神病棟におけるクリスティンへの非人間的な扱いを明らかにしようと尽力した。そのような努力が市の上層部たちの解任へつながり、蔓延していた腐敗を白日の下にさらす結果につながったのだ。
ブリーグレブ牧師がクリスティンに与えた影響について、アンジェリーナ・ジョリーは、2人が「素晴らしい友人関係にあった」と語る。「当時の彼にはかなりの発言権があったから、彼女は牧師を頼ったし、彼のほうは彼女を教え導いたの。クリスティンは、ある種の自信を与えられたのだと思う。権威を持つ誰かによってしか与えられない種類の自信をね。
彼女が牧師から言われたのは、『君は狂っていないし、あの人たちは善人でもない。たとえ権威があったとしても、それに敬意を払うべきだということにはならない。君は彼らに疑問を突きつけるべきだ』ということよ。おかげで彼女は、自分自身の声を見つけられたの」
実名を使用したことで物語に一層深みが増し、
本作が“真実の物語”なのだということがリアルに感じられます。
映画を観た後、彼らの名前が頭に焼き付いて離れなくなっているかもしれません。
TOHOシネマズ 日劇ほか全国大ヒット上映中!
(c) 2008 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
※本作はPG-12指定です
『ワルキューレ』で描かれるさまざまな事件は実話であり、キャラクターたちも実在の人物ではあるが、監督のブライアン・シンガーが映画で描いてきたストーリーや登場人物との共通点は多い。この映画の製作総指揮であり、シンガーとは長年にわたるパートナーであるクリス・リーはこう語る。
シンガーにとって、『ワルキューレ』は初めての実話への挑戦というばかりでなく、ユダヤ人という生い立ちゆえに子供の頃からヒトラーやナチス・ドイツ政府が行なった恐怖政治に対して敏感に感じとっていた、歴史の中の暗黒の時期を掘り起こしたいという宿願への絶好のチャンスでもあった。
危険を承知で謀略に参加した人たちが経験した、不安や心の動きを浮き彫りにする映画だけに、撮影監督ニュートン・トーマス・シーゲルとシンガーは、独特であっても抑えた雰囲気にしようと話し合った。「かちっとしたフレーミングなのに、妙に斜(はす)に構えたアングル、つまり現代的なスリラーの要素に、あの時代の名作の雰囲気をブレンドしたんです。われわれとしては、一連の事件の全貌とか払った犠牲がいかに大きいかとか、そういうところをかなり重視したリアルなビジュアル・スタイルにしたかったんです。ライティングからもアングルからも、そしてカメラと被写体の関係からも、そのものズバリの真実性がかもしだせるようにです」
舞台を観たハワードが感銘を受けたのは、「2人だけで闘われる強烈な闘争を扱った心理性格劇」という点だった。 素材の素晴らしさに興奮して、ハワードは言う。「このインタビューは、世界中の何千万人が見たわけだけが、この出来事の本当のドラマは、2人の男の間のダイナミズムにある。それは知力を尽くした戦闘であり、どちらも職業的な人生を賭けて闘い、しかもどちらかいっぽうしか勝って立ち去ることができない。とどのつまりは、ニクソンの言い逃れの技術が勝つか、フロストの人に喋らせる能力が勝つかの勝負だ」
「これまで僕は、一度も西海岸に行ったことがなかったんだ」と、モーガン。