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『デュプリシティ ~スパイは、スパイに嘘をつく~』~秘密と嘘~

プロダクションノートをご紹介するこのコーナー、
今回は5/1(金)公開の『デュプリシティ ~スパイは、スパイに嘘をつく~』から。
 
秘密と嘘

 高い評価を受けた2007年の監督デビュー作『フィクサー』のあと、脚本家/監督のトニー・ギルロイは再び業界の裏社会を作品化しようと決めた…が、今度はロマンスも取り入れたかった。そして、ライバル企業同士が、最初に魔法の新製品を市場化しようと執念を燃やす容赦ない競争を背景に、紆余曲折に満ちたストーリーを作り上げた。

もともとギルロイが『デュプリシティ ~スパイは、スパイに嘘をつく~』のアイデアを抱いたのは、微妙に入り組んだ産業スパイの内情に魅せられたからだ。大ヒット映画『ボーン・アイデンティティー』シリーズの3部作の脚本を書く際に取材の日々を過ごし、諜報活動の現場にいる多くの人達と出会った上、しかも彼らの多くが最近、民間に移ってきたことを知った。そこで、この業界を舞台に機知に富んだ脚本を練り上げ、逆転に次ぐ逆転という古典的犯罪物の筋立てに、ひねりの利いたコメディを組み合わせた。
このストーリーの設定に関する取材や発想について、彼によれば、「企業窃盗についての統計では、その被害額は毎年500億ドルから1000億ドルに上るそうだ。世界の大企業のうちで、何らかの防御的または攻撃的な情報収集を扱うため、他社と競い合う情報部門のない企業はひとつもないし、それは基本的にはスパイ組織だ」

 この映画作家は、二つの巨大企業間で勃発した冷戦を構想した。実は、その戦いの真っ最中に、スパイたちは、それぞれの雇い主たちをペテンに掛けようと画策している。彼はライバル企業の大立者同士のあいだに、錯綜した虚偽の網を作り上げ、その筋書きの中にスパイたち二人をはめ込んだ。しかも、二人の間の愛情はその策略そのものと同じぐらいの大きな価値が掛かっているのだ。
この星の巡り合わせの悪いカップルは、元CIA 諜報員クレア・ステンウィックと、元MI6 諜報員レイ・コヴァル。ギルロイが強調したのは、二人の恋愛関係のもつれでどちらも仕事がやりにくくなり、さらに互いに嘘に嘘を重ねることで、相手が敵なのか味方なのか判らなくなってしまうというところだ。「二人は絶対に本当のことを言わない。誰もが誰かの裏をかこうとしている。あらゆることが、見た通りのものでは決してない」

彼がこのカップルを思い描いたとき、この映画作家の頭につねに興味深い疑問が浮かんだ。
「もし二人が恋に落ちて、しかも両方ともプロの嘘つきだったなら、いったいどんな風になるだろうと思ったんだ。それは二人にとってとてもきついはずだ。でも、ほかに誰が代われるっていうんだ? 二人とも同じ種に属してるんだからね」

『フィクサー』で巨大法律事務所の裏側にスポットを当てた
トニー・ギルロイが次に目をつけたのは世界の大企業の裏側で暗躍するスパイ達。

ぜひ劇場で、トニー・ギルロイ流<スパイムービー>をお楽しみください!

【デュプリシティ ~スパイは、スパイに嘘をつく~ 公式サイト】

5/1(金)、TOHOシネマズ みゆき座ほか全国ロードショー
(C)2008 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.

2009年04月23日 23:27

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