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フランス発『わたしの可愛い人―シェリ』

あなたとは同じ日に死にたいと思うほど、愛してきたわ。
レア、恋には熟練のココット高級娼婦。彼は、友人の息子シェリ、19歳。

 大ヒット作『危険な関係』『クィーン』のアカデミー賞(R)監督、脚本、キャストが結集し、40億円の制作費をかけ、巨匠コレットの代表作「シェリ」が豪華完全映画化。主人公レア役には、3度のアカデミー賞(R)ノミネートに輝き、シャンデリアのようにきらめきその魅力を放っているミシェル・ファイファー。2009年ベルリン国際映画祭コンペティション部門にも出品された注目の作品です。


■STORY

 舞台はベルエポックのパリ。富と名声を得た元ココット(高級娼婦)のレアは40代にして、なお輝き続け、引退し優雅な生活を送っていた。一方、レアの元同業のマダム・プルーの一人息子シェリは、19歳ですでに女遊びにも飽きているほどの“問題児”。母は秘めた魂胆で、二人の縁りを取り持つのだった。当然、2人は不釣合い!とゴシップ好きの仲間たちの激しい毒舌をも受け流し、“不覚にも”6年も暮らしてしまう。やがて、シェリの挙式を突然告げられた時、レアは一生に一度の愛だったことにはじめて気づくのだったが…。


公式サイト


■パリ、ベルエポック時代の再現に集結したスタッフ

 「1906年、この時代のヨーロッパは、モダンへと移行する時代でした。マダム・プルーは過去のものを引きずっているのに対し、レアの目はモダンへと向いています」多くの受賞経験のあるベテラン撮影監督ポーランド人のダリウス・コンジィは、2人のコントラストを出すために、光の使い方を工夫したといいます。

 『クィーン』でもフリアーズ監督と一緒に仕事をした美術担当のアラン・マクドナルドは、時代考証とともに、時代の雰囲気を2人の家にかかっている絵画などで表しました。レアの家には印象派、後期印象派の絵画を、マダム・プルーの家には、豪華な少しミスマッチの重厚なテーブルや絵画、重いビロードのカーテンが並べられました。

 2人の衣装もやはりコントラストを出しています。レアのスタイルは飾り立てすぎずに、クールで軽やかさと彼女のシルエットの美しさを引きたてるもの。ソフトなヘアスタイルでもマダム・プルーは誇張されています。

 サン=サーンス、ドビュッシー、ラヴェルなど、フランス音楽の豊かだったこの時代は東洋の神秘的な影響も受けており、『クィーン』でアカデミー賞を受賞している音楽担当のアレクサンドル・デプラは、フランス的な音楽のスコアにヴァイオリンのエキゾティックな音色を取り入れた音楽を作っています。

 撮影、美術、衣装、音楽と、すべてにおいて、20世紀初頭のベルエポック時代を再現したこの映画は、スタッフがこだわり抜いて作り出した、ひとつの芸術作品といっても過言ではありません。


■映画から観るフランス

 フランス・パリには今でも、ベルエポック時代を感じられるスポットがたくさんあります。その中から、この映画のロケ地も選ばれています。たとえば、レアの家は、アール・ヌーヴォーの大建築家エクトール・ギマールのヴィラ・メザラ(パリ、16区)がメインのロケ地となっています。レアが逃避行するのがビアリッツのホテル・ド・パレ。パリのホテル・レジーナはシェリの遊び場でもあり、シェリが結婚式をあげるのがパリの5区にある美しいサン・エチエンヌ・ド・モン教会、もちろんパリのレストラン、マキシムでも撮影しています。

 ぜひ背景にも注目して、ため息がでるほど美しいフランス装飾美術をご堪能ください。


■DATA

Bunkamura ル・シネマほか絶賛上映中!

2009年/英・仏・独/90分
配給:セテラ・インターナショナル

監督:スティーヴン・フリアーズ
出演:ミシェル・ファイファー/ルパート・フレンド/キャシー・べイツほか

(C)Tiggy Films Limited and UK Film Council 2009 All Rights Reserved


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2010年10月18日 22:17

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