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2010年06月24日

本年度よりダウンタウンへお引越し: 第16回Los Angeles Film Festival

先週17日にいよいよ開幕した「LA Film Fest」こと「Los Angeles Film Festival」。今月27日までの開催期間中には各招待作品の上映だけに限らず、ファミリーで楽しめるイベントが目白押しとなっています。シネフィル=映画好きはもちろんのこと、イベント好きにも嬉しい毎年恒例のLAFF。見どころ満載のラインナップを一挙にご紹介していきます。


  現在LA市内をジャックしているLAFFバナー
本年度で16回目に突入したLAフィルムフェスティバル (LAFF) は、NPO団体Film Independentが主催、地元紙Los Angeles Timesや大手チェーンTargetなどが協賛する州内最大級の映画祭。30カ国を優に超える国々から集められた長編/短編映画、ドキュメンタリー作品やアニメーション、ミュージックビデオなどが余すところなく堪能できる11日間となっています。
これまで過去4年間は名門校UCLAのあるウェストウッド・ヴィレッジにて開催されていましたが、2010年度からはホームグラウンドをLAダウンタウンへと移動。近年は市内指折りの観光地としてすっかり定着している複合施設L.A.Liveを中心に、隣接シアターにて各作品の上映が行なわれることとなりました。


今年のオープニング・ナイトを飾ったのは、ジュリアン・ムーアやアネット・ベニングらが共演、サンダンス映画祭などの大型フェスティバルにて観客の話題をさらったコメディ・ドラマ”The Kids Are All Right (原題)”。

  『怪盗グル―の月泥棒 3D』は10/29(金)より日本公開!
  吹替キャストの笑福亭鶴瓶さん&芦田愛菜ちゃんもLAに参上!

そして最終日にはクロージング作品として、スティーヴ・カレル&ラッセル・ブランドという米英コメディアン対決に注目が集まるアニメーション映画”Despicable Me(原題)”が、一般公開よりひと足早く登場する予定となっています。こちらは邦題「怪盗グル―の月泥棒 3D」として、10/29(金)より日本公開も決定しました!

また開催8日目の24日に行なわれる「トワイライトシリーズ」の第3作目”The Twilight Saga: Eclipse”のレッドカーペット・イベント/プレミア上映に先駆けては、すでに会場となるノキア・プラザ周辺が「テント地帯」に様変わりしているとのこと。これまで500人を超す徹夜組が続々と押しかけており、中には本作のキャスト達を拝む為だけにLAを訪れている観光客も含まれていると報じられています。

そして当フェスティバルの目玉のひとつ、賞金5万ドルが授与されるコンペティション部門にて、今年は我らが日本作品「パレード (邦題)」が堂々のノミネート。各国選りすぐりの7作品としのぎを削ることになっています。その他日本からは、堺雅人ら豪華キャストが肩を並べる「ゴールデンスランバー」、各国の若手マジシャン達に迫った日米/南アフリカ合作のドキュメンタリー”Make Believe”、そしてピューリッツァー受賞のグルメ評論家ジョナサン・ゴールド氏が推薦する「フード枠」には、2006年公開の「UDON」が唯一ピックされる快挙となりました。
またL.A.Live内のグラミー・ミュージアムでは、CGアーティストなら必見の最新ミュージックビデオが随時上映されており、コーネリアスやリップスライム、椎名林檎やSOURなど、楽曲だけにとどまらずPV映像にも定評があるアーティスト達の作品が「日本代表」として招かれています。

フィーチャー&ショート作品の上映に並び、業界屈指の俳優/監督/脚本家らを招いたパネル・ディスカッションやセミナー、Ford Amphitheatreにて行なわれる屋外無料スクリーニングなど、多方面から楽しめること必至のLAFF。特に短編部門はアカデミーが公認するカテゴリーとなっており、オスカーにおける候補者が占えることでも高い評価を得ています。
下記の公式HPからは全ての出展作品が検索可能ですので、本年度の賞レースに参戦して来るであろう「顔ぶれ」をいち早くチェックしてみてはいかがでしょうか?

【Los Angeles Film Festival 2010公式ウェブサイト】


TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 11:47 | トラックバック

2010年06月17日

まるでオスカー状態?セレブ大集合のTony Awards

去る13日、NYCに位置するラジオシティ・ミュージックホールにて、今年で64回目を数える「トニー賞」が開催されました。アメリカ演劇界/ブロードウェイの最高栄誉とされる本アワードは、舞台俳優をメインに迎えながら内輪ムードで行なわれるのが通例。しかし本年度はアカデミー賞さながらのセレブリティ・アクター達が続々と来場、初のトニー像を持ち帰っています。


  1997年より”Tonys”のホームグラウンド
   となっているラジオシティ・ミュージックホール
  Photo by Ian Philip Miller on Flicker
「トニー賞」こと「アントワネット・ペリー賞」は、ブロードウェイ・リーグならびにアメリカン・シアター・ウィングが主催する演劇/ミュージカルの一大祭典。映画のアカデミー賞、音楽のグラミー賞、TVのエミー賞と並ぶ、米最大級のアート・セレモニーとして世界中に知られています。
開催前年の期間中にブロードウェイにて行なわれた演劇とミュージカルより、各部門の候補者/作品を選出。後にエンタメ各界の関係者やプレスの投票によって、トロフィーの行方が決まります。

今年のホストを務めたのは、人気ドラマシリーズ「ふたりは友達?ウィル&グレイス (NBC/邦題)」で、かなりオネエなジャック役を演じていたショーン・ヘイズ。今年に入って雑誌インタビューにて自らゲイであることをカミングアウトしておりますが、今さら驚く人が少なかったことが強く印象に残っております。そんな彼が10分以上に渡って繰り広げたオープニング・アクトでは、自身が出演&今年のミュージカル部門主演俳優賞の候補にもなっていた”Promises, Promises (原題)”を含む、数々の歴代ミュージカル・ナンバーを熱唱。本人の受賞は逃したものの、「ジャック」さながらのハイテンションなパフォーマンスや共演者のクリスティン・チェノウェスとの熱いリップ・ロック (=キス)で、満席となった会場を大いに沸かせています。

「ハリー・ポッター」シリーズのダニエル・ラドクリフやトム・クルーズの妻であるケイティ・ホームズをはじめとして、近年は映画スクリーンを彩るスター達がこぞってブロードウェイに参加するのが一種のトレンド。その結果として、客足が遠のきがちなシアター作品のチケット売り上げに貢献しているとされていますが、特に今年の受賞者にはハリウッドお馴染みの顔ぶれが並びました。
ともにオスカー受賞者であるデンゼル・ワシントンとキャサリン・ゼタ=ジョーンズは、それぞれ”Fences”と”A Little Night Music”で演劇部門主演男優賞とミュージカル部門主演女優賞を獲得。また先週お伝えしたMTVムービー・アワードにて、サンドラ・ブロックとのキスが話題に上ったスカーレット・ヨハンソンは、”A View From the Bridge”で演劇部門助演女優賞に輝いています。

「ハリウッド出身」の三人がともに初ノミネート&初受賞となった2010年度トニー賞ですが、女性ふたりはちょっとした「ゴシップの的」に。また新たなトロフィーを増やしたジョーンズは、受賞スピーチ中に壇上より夫マイケル・ダグラスを指差して「あそこにいる映画スターと毎晩一緒に寝てるのよ!」と絶叫、後に起こった一連の大騒ぎを振り返って「下品な振る舞い」であったと謝罪しています。

そして幼少期からの夢だったというトニー賞に感激し過ぎたのか、ヨハンソンに至っては同伴の夫ライアン・レイノルズに一瞥すらくれないまま、スタスタとひとりステージへ。その途中で一瞬「ヤバッ!」の表情を見せるや、座席に引き返して頬にキスをもらうと、まるで取ってつけたかのようにレイノルズへ感謝のスピーチを述べるという「失態」を演じてしまいました。普段より滅多にツーショットを見せない彼らとあって、これには不仲説が再浮上の予感。けれども、昨今ますます磨きがかかっている彼女の美貌、男性ファン達にとっては大歓迎のハプニングだったのかもしれません。

そして以下は、主要部門の各受賞結果。演劇部門は作品賞を合わせて本年度最多となる6カテゴリーを制覇した”Red”、ミュージカル部門では同じく作品賞を獲得した”Memphis”が計4つの賞に輝いており、大歓声に包まれたキャスト達は歓喜に酔いしれました。

☆演劇部門:

・作品賞 “Red”
・リバイバル賞 “Fences”
・演出賞 マイケル・グランデイジ (“Red”)
・主演男優賞 デンゼル・ワシントン (“Fences”)
・主演女優賞 ヴィオラ・デイヴィス (“Fences”)
・助演男優賞 エディ・レッドメイン (“Red”)
・助演女優賞 スカーレット・ヨハンソン (“A View From the Bridge”)

☆ミュージカル部門:

・作品賞 “Memphis”
・リバイバル賞 “La Cage aux Folles”
・演出賞 テリー・ジョンソン (“La Cage aux Folles”)
・主演男優賞 ダグラス・ホッジ (“La Cage aux Folles”)
・主演女優賞 キャサリン・ゼタ=ジョーンズ (“A Little Night Music”)
・助演男優賞 リーヴァイ・クライス (“Million Dollar Quartet”)
・助演女優賞 ケイティ・フィネラン (“Promises, Promises”)

当日CBS局にて全国放送された第64回トニー賞は、稀に見るスター・パワーにもかかわらず、前年より6%のダウンとなる約700万人の視聴率で終了。しかし、NBAファイナルの第5試合 (ボストン・セルティックスvs. ロサンゼルス・レイカーズ)やHBO局の人気ドラマ”True Blood”の新シリーズなどの高視聴率番組に重なったことを考えると、まずまずの成績であったと言えるでしょう。
今後もハリウッドの面々がブロードウェイをも席巻し続けるのか、更なる注目が集まりそうです。



TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 11:49 | トラックバック

2010年06月11日

投下されたFワードは数百発!恒例MTVムービー・アワード

去る日曜日、ユニバーサル・シティ内に位置するギブソン・アンフィシアターにて行なわれたMTVムービー・アワード。悲鳴にも似た熱狂的な声援が飛び交う「若者の祭典」として知られる当イベントですが、今年は比較的にオトナ達も楽しめるラインナップが話題を呼びました。

2010年で第19回目を数えるMTVムービー・アワード (MTVMA)は、事前の一般投票によって昨年度の人気映画/アクター達が選出される毎年恒例のセレモニー。しばしば「MTVジェネレーション」と称されるように、主に若年層のチャンネル視聴者を持つMTVが主催とあって、そのノミネート作品や内容は他のお堅い映画祭とは一線を画す、リラックス&パーティモードで進行していきます。


  見事なホストを務めたアジズ・アンサーリ
   Photo by mecredis on Flickr
今年のMTVMAにてホストを務めたのは、人気赤丸急上昇中のコメディアンであるアジズ・アンサーリ。日本での知名度はまだ低いかもしれませんが、彼の笑いの原点であるスタンダップ・コメディのステージ、TVシリーズ”Human Giant (MTV/原題)”やコメディ・ドラマ”Parks and Recreation (NBC)”などへの出演によって、より多くのファンを獲得しています。
大型番組では初の司会業となりましたが、堂々としたオープニング・トークやモノローグに「笑いの神」が降臨。また個人だけで100回以上ものFワードを連発、それに触発されてか他のゲスト達も卑語のオンパレードとなり、後日MTVでは全ての該当単語に対する「ミュート措置」が出来なかったことを謝罪しております。

ちなみに通常の映画などを観ていると多くの卑語が多用されている印象を受けますが、今日のアメリカンTV界ではケーブル局でさえ放送不可。パッと見ではかなりオープンなアメリカ、青少年の育成に関わる問題などに関しては現在でもコンサバティブです。

最多6部門にノミネートの「ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い (邦題)」、次点5部門でそれを追う「アバター」と「ニュームーン/トワイライト・サーガ」の勢いが目立っていた2010年度のMTVMAですが、最も話題をさらったのはベテラン俳優達。
ナイスガイ過ぎるイメージがすっかりと定着したトム・クルーズは「トロピック・サンダー/史上最低の作戦 (2008)」にて演じたレス・グロスマンに扮して、劇中さながらにFワード爆弾を投下、更にJLOことジェニファー・ロペスが乱入するや2人でダンスバトルを繰り広げるなど、この日に限っては妙にハジけまくったMr. ハリウッドなのでした。客席に駆けつけた奥様のケイティ・ホームズの激しい「劣化」が気になりつつも、世間はブッ飛んだトム様をお好みのようです。


毎年MTVMAを主催する
MTVネットワークin ウエストLA
そして功労賞に当たるジェネレーション賞を獲得したサンドラ・ブロックは、ブラッドリー・クーパー、ベティ・ホワイト、スカーレット・ヨハンソンらプレゼンターに紹介されながら「お久し振り」の登壇。輝かしいアカデミー受賞から一転、現在は離婚申請中の元夫であるジェシー・ジェームズの度重なる不倫が発覚、その後はシングル・マザーとして養子を受け入れていたことが明らかとなるなど、ジェットコースター並みのアップ&ダウンでタブロイド誌を賑わせていた彼女が、騒動より実に3ヶ月振りに姿を現しています。
「ウルトラI LOVE YOU!」で彼女がストーキングしたクーパー、「あなたは私のムコになる」で共演のホワイトに加え、同作で共演のライアン・レイノルズに代わって妻のヨハンソンが登場。そして劇中での「夫」とのシーンさながらに、ステージ上にてブロックとのホットなキスが実現しています。
功労賞に当たる本賞を受け取りながらも、これからも「大好きな仕事を続ける」と高らかに宣言したブロック。頭の良さが垣間見れるスピーチと「隣りのお姉さん」のようなサバサバした雰囲気に、ますます多くのファンが魅了されたこと必至です。

2010年MTVムービー・アワード結果 <セレモニー内>

☆作品賞: 「ニュームーン/トワイライト・サーガ」
☆女優賞: クリステン・スチュワート (「ニュームーン/トワイライト・サーガ」)
☆男優賞: ロバート・パティンソン (「ニュームーン/トワイライト・サーガ」)
☆国際俳優賞: ロバート・パティンソン (「ニュームーン/トワイライト・サーガ」)
☆コメディ男優賞: ザック・ガリフィアナーキス
             (「ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」)
☆新人賞: アナ・ケンドリック (「マイレージ、マイライフ」)
☆ホラー・パフォーマンス賞: アマンダ・セイフリード (「ジェニファーズ・ボディ」)
☆ベストキス賞: クリステン・スチュワート&ロバート・パティンソン
                     (「ニュームーン/トワイライト・サーガ」)
☆WTFモーメント賞: ケン・チョン (「ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」)
☆悪役賞: トム・フェルトン (「ハリー・ポッターと謎のプリンス」)
☆バッドアス・ヒーロー賞: Rain (ピ) (「ニンジャ・アサシン」)
☆ジェネレーション賞: サンドラ・ブロック

セレモニーの模様と合わせて、現在のヒット曲「California Gurls」を引っさげたケイティ・ペリーとスヌープ・ドッグ、今月発売のニューアルバム「Bionic」からメドレーを披露したクリスティーナ・アギレラによるパフォーマンスや、今年公開予定の「ハリー・ポッターと死の秘宝 Part I」と「トワイライト・サーガ/エクリプス (原題)」の予告編ワールド・プレミアを放映。
TV単体での視聴率は昨年の530万人から落として460万人に留まりましたが、系列チャンネルMTV2やVH1での同時放送分を合わせると580万人と、ほぼ2009年度と変わらない結果に終わったようです。今年も盛りだくさんの2時間となったMTVムービー・アワードの詳細は、以下のウェブサイトよりチェックしてみて下さい。

【2010 MTV Movie Awards公式HP】


TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 00:32 | トラックバック

2010年06月03日

遂にフィナーレ!米2大リアリティ・ショーの勝者は?

今年のメモリアル・デー (戦没者追悼記念日)を前に、ホリディ・ウィークエンドとなった5月の最終週。アメリカンTV界では、人気のリアリティ・ショーが続々とフィナーレを迎えています。その中でも度々ヘッドラインを賑わせていたのが、今期の週間視聴率にて常時ツートップに君臨していた2大モンスター番組。多くの視聴者が固唾を呑んで見守った「芸能人社交ダンス」と「一般参加型オーディション」の行方、一挙にまとめてご紹介していきます。


  DWTSシーズン10の覇者ニコール・シャージンガー
  Photo by Skynet on Flickr
まずは、先月25日にフィナーレを迎えた社交ダンスバトル番組「DWTS」こと”Dancing with the Stars (ABC / 原題)”の話題から。いよいよ二桁となる第10シーズンに突入した老舗番組DWTSは、初回のプレミア放送から過去最高値となる2400万人を超す視聴者数でスタートを切りました。
セクシー・ボムシェルボディで知られるパメラ・アンダーソンや、他局のリアリティ番組”Jon & Kate Plus 8 (TLC)”出演中に夫の浮気問題で泥沼離婚劇を繰り広げた「子沢山の一般主婦」ケイト・ゴセリンらの参加が記憶に新しい今シーズンのDWTS。その一方では「90210」シリーズのブレンダ役でお馴染みのシャノン・ドハーティが、御年80歳の元NASA宇宙飛行士エドウィン・バズ・オルドリンよりも先に「脱落」してしまうなど、ファン驚きの展開を見せています。

こうして第1週目より視聴者のハートをガッチリと掴んでいた「DWTSシーズン10」において決勝へと駒を進めたのは、エリン・アンドリューズ (ケーブル局ESPNスポーツアナウンサー)、エヴァン・ライサチェック (プロフィギュアスケーター/バンクーバー五輪金メダリスト)、ニコール・シャージンガー (プシーキャット・ドールズ)といったそれぞれ出身畑が異なる3名。2時間に渡るフィナーレでは、アメリカきっての美人キャスターとして人気の高いアンドリューズが3位に決定、そしてこれまで圧倒的なテクニックを披露し続けてきたライサチェックとシャージンガーによる一騎打ちと相成りました。
そんな「濃い苗字」対決にて軍配が上がったのは、人気ポップス・グループでリードボーカル&センターを張り続けているシャージンガー。ちなみに彼女を10代チャンピオンへと導いたプロダンサーのデレック・ハフは、第7シーズンに続く2つ目の「ミラーボール型トロフィー」を持ち帰っています。


第9シーズンAIのポスター
そして翌26日に同じくフィナーレを迎えたのが、今年で第9シーズン目を数えるアイドル発掘/公開オーディション・シリーズ「AI」こと”American Idol (FOX)”。特に今期は、第1シーズンより「辛口ジャッジ」として出場者を斬りまくってきたサイモン・コーウェルの番組降板が決まっており、彼の最後の花道にも注目が集まっておりました。
決勝では先シーズンでひと足早く番組を去った元審査員ポーラ・アブドゥルやジャネット・ジャクソンがゲスト出演/パフォーマンスを飾りましたが、気になる視聴率は昨年比16%ダウン。歴代ワースト記録となる2400万人強という結果で終わっています。これには若年層の「AI離れ」や今期出場者達の「個性不足」などが理由に挙げられていますが、それでもDWTSが樹立した自己ベストを凌ぐ数字であることは明白。週によってはDWTSに交わされることもありながら、まだまだ「アメリカが最も視聴したリアリティ・シリーズ」の冠に恥じない不動の強さを見せ付ける恰好となっています。

(現在日本でもケーブル局にて放映中のAI第9シーズン。ご覧になっている方々は、以下ネタバレですのでご注意を。)前回のシリーズで準優勝を決めたアダム・ランバートほどのパンチ力を持った出場者は見られなかったものの、やっぱり回を重ねる毎にファン心理が働いてしまうのがAIの最たる魅力。予選より1、2の人気を誇っていた「元ギャングの愛息」アンドリュー・ガルシア、高音を武器に持つ「不思議ちゃん」ショバーン・マグナス、途中の視聴者投票によって脱落しかけるもジャッジに救われた「気の良いジャイアン風」マイケル・リンチらが続々と姿を消していく中でベスト3まで残ったのは、ある意味予想が裏切られることのない面々でした。

「イケメン代表」ケイシー・ジェームズが第3位に甘んじると、フィナーレはともに現在24歳のリー・デワイズとクリスタル・バワーソックスによる直接対決へ。火曜のパフォーマンス後の審査員達によるコメントならびに開始当初からの圧倒的な前評判では「シングル・マザー」バワーソックスが優勢と思われましたが、歌声&ドレッドヘアともにソウルフルさが魅力の彼女を下したのは「元ペンキ屋の店員さん」デワイズでした。度々指摘されていたシャイさを克服しての「ニュー・アメリカン・アイドル」が誕生、今後は両名ともにCDデビューなど様々な場所でお目にかかることになりそうです。

一度チャンネルを合わせたら最後、すっかり病みつきになってしまう人気リアリティ・ショー。これから夏季シーズンに向けては定番ヒットシリーズの数々も復活する予定となっており、ますますお茶の間を虜にしちゃいそうです。今後とも注目番組は逐一フィーチャーしていきますので、そちらもぜひお楽しみに。


TEXT BY アベマリコ

投稿者 eigafan : 14:10 | トラックバック