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フランス発(フランス&アイスランド合作)『ジダン 神が愛した男』

現在、ドイツにて開催中のW杯。本作は、今大会で引退を表明しているスーパースター、フランス代表ジネディーヌ・ジダンを描いたドキュメンタリー。17台のカメラを導入し、300倍のズームやハイ・ビジョンなど様々な最先端技術を駆使して撮影した、迫力の映像が楽しめます。

■STORY
2005年4月23日、サンティアゴ・ベルナベウにて行われたレアル・マドリード対ビジャレアル戦。実は、その試合と同時に本作の撮影が進行していました。カメラはボールの行方に関わりなくジダンだけを追います。ジダンのつぶやき、ジダンの声、ジダンの足音、ベッカムやロナウドとのやりとり等を映し出していきます。そこから浮かび上がってくるジダンの“心の内”とは…?!

公式サイト


■先鋭アーティストによる斬新映像で浮かび上がるジダンの魅力
本作は、スコットランド人アーティスト、ダグラス・ゴードンとフランス人アーティスト、フィリップ・パレーノの共同監督で製作。現代美術の優れたアーティストに贈られるターナー賞を受賞したダグラス・ゴードンの作品は、パリ市立近代美術館、ロサンゼルス現代美術館などで展示され、高い評価を受けています。また、フィリップ・パレーノは物語の探求、映像の様々な展示方法を中心に捉えた作品を展開し、日本でも金沢21世紀美術館で常設展示されています。

彼らの斬新で大胆な映像感覚は、観る者の五感を刺激します。本作での撮影は、とてもスケールの大きいものでした。ヨーロッパで初めて使用される高解像度カメラを含むシンクロされた17台のカメラが、たった1人の男ジダンだけを追い、ピッチ上の視点そのままに撮影。360度の展望を実現するこのカメラから届けられる映像は、ゲーム全体を通じてジダンと共に動き回る感覚が味わえるほどの迫力もの。

ジダン自身も、初めて本作の映像を観た印象を尋ねられた際に、「とても集中していて試合に没頭している」自分の姿を見て驚いたと答えています。「僕はあんな顔をしていたんだね。普段目にする写真やテレビでは、あの集中力や緊迫感までは感じられない。」との言葉も。

そしてもう1つの大きな魅力が、シーンの最先端を走る人気ロックバンド、モグワイが本作のために提供した楽曲です。真のサッカーファンである彼らは、監督たちの熱い想いに共感し、書き下ろしのテーマ曲を制作しています。

■サッカー・スピリットあふれる攻撃的演出
●ひとつの試合にかける想い
制作にあたり、こだわりのポイントだったのが、「たったひとつの試合を基にする」ということ。
ひとつの試合の中で起こったことだけを収めるというのが、監督たちとジダンの間で話し合った結果でした。
ジダンは、自分が開始5分にケガでもして、全てが水に流れてしまうようなリスクを心配しながらも、いざ試合が始まると、「純粋にサッカーのプレーという観点から面白いと思うような動きができた」と振り返っています。

●サポーターたちの活躍
当初の撮影のアイデアには、スタジアムの8万人の観客に、それぞれビデオカメラを渡す、という驚きの計画もあったとか。
それは実現しなくても、気持ちとして残ったのは観客たちの熱気を大事にする、ということ。8万人の観客たちを、ひとつの固まりとしてではなく、個人として捉え、それぞれの熱い想いを表現しました。


■DATA
7月15日(土)よりシネカノン有楽町にて公開
(C)Anna Lena films

2006年/フランス アイスランド/95分
配給:シネカノン

監督:ダグラス・ゴードン/フィリップ・パレーノ
プロデューサー:シグルヨン・シグヴァトソン
出演:ジネディーヌ・ジダン/デビッド・ベッカム/ロナウド/フィーゴ/ラウル

2006年07月05日 13:43

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